2009年 06月 03日

粋(2)

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Canon EOS 5DMarkⅡ/ EF24-105mm F4L IS USM

この店先、2連の暖簾が洒脱で、下に置かれた花が軽妙ですね。これも「粋」。

九鬼周造は「粋」を「垢抜けして張りのある色っぽさ」と解題しています。「垢抜けして」というのはまさに中井正一の言った「引き算の美学」、野暮の対極にある潔さ、「張りのある」というのは意気(地)のあるという意味で、これらを伴った媚態が「粋」だと喝破しています。
長屋の大工の八っつあんが腰に紺の市松模様を染めあげた白地の手ぬぐいをぶら下げて仕事場に赴く。彼にとって自慢の手ぬぐいは粋であり、その粋はおそらくは隣に住む年頃のお菊に向けられていたのだということなのでしょうか。いや何も媚態は男女の機微に限るものではない、艶は己の存在を他の視線に絡め取る全ての所作だと考えてみるのが正しいのかもしれません。
とすれば、件の店の白暖簾の「粋」も、贔屓客に呼ばれて茶席に急ぐ芸妓ではなく界隈の常連客の目を引くためのものと解するのが妥当なのでしょう。
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by bernardbuffet | 2009-06-03 23:06 | EF24-105mm F4L IS US | Comments(0)


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